作業開始前点検
作業開始前点検は、地山の掘削作業で、その日の作業を始める前に地盤の状態を点検することです。労働安全衛生の決まりで、点検の時期は「その日の作業開始前」と定められています。前日からの雨や湧水、地盤の変化を見逃さないため、毎日の点検が義務づけられています。
セクション別の図解
点検者が、斜面の湧水・ひび割れ・浮石・地盤のずれといった崩壊の兆候を一つずつ確認している様子が描かれています。
作業開始前点検では、地山の崩壊や土石の落下につながる兆候を確かめます。具体的には、斜面からの湧水、地盤のひび割れやずれ (地盤変状)、斜面に浮いた石や緩んだ土などを見ます。前日と比べて変化がないか、新たな危険が生まれていないかを点検します。もし崩れる危険があると判断したら、その場で作業を中止し、土止め支保工を補強するなどの対策をとってから作業を再開します。
前日の点検後、夜間の雨で地盤が変化し、当日朝の点検でその変化を発見する時間の流れが並べて描かれています。
点検は「その日の作業開始前」に行う必要があります。前日までに点検しておくだけでは不十分です。なぜなら、点検したあとの夜間に雨が降ったり、湧水が増えたり、地盤がわずかに動いたりして、状態が変わってしまうことがあるからです。前日の点検では、こうした夜の間の変化を捉えられません。毎日、作業を始める直前に点検することで、その時点の最新の地盤の状態を確かめられます。
前日は安定していた斜面に、夜間の雨で水がしみ込み、当日朝には崩れやすい状態に変わっている様子が示されています。
作業開始前点検が大切なのは、地盤の状態が時間とともに変わるからです。前日に安定していた斜面でも、夜間に雨が降れば水がしみ込んで土が弱くなり、湧水が増えれば足元が不安定になります。地盤がわずかにずれる地盤変状が進むこともあります。これらは作業員が気づかないうちに進むため、毎朝、作業前に点検して最新の状態を確かめ、危険があれば作業の方法を見直すか中止します。
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