疲労
疲労は、構造物が繰り返し荷重を受けることで、少しずつ傷んでいき、やがてこわれる現象です。一回では問題ない小さな力でも、車の通行などで何度も加わるうちに、ひび割れが進んで強度が下がります。コンクリート構造物の劣化機構の一つです。
セクション別の図解
交通量の多い橋で、床版や鋼部材のひびを定期点検で早めに見つけ、補修・補強して長持ちさせる様子が示されています。
疲労は、繰り返し荷重を受ける部材で特に重要です。車が頻繁に通る橋の床版や、力が繰り返し加わる鋼の部材などです。設計の段階では、角を丸くするなどして力が一点に集中しないようにし、疲労に強い形にします。完成後は、定期的な点検でひび割れを早めに見つけることが大切です。早く見つければ、ひび割れの補修や、当て板による補強などで、こわれる前に長持ちさせられます。見落とすと突然の破壊につながるため、点検が欠かせません。
繰り返しの力で傷む疲労と、化学反応や凍結で傷む中性化・塩害・凍害が、劣化の引き金のちがいで並べて対比されています。
疲労は、他の劣化機構と原因のタイプがちがいます。疲労の引き金は「繰り返し加わる力(荷重)」で、車の通行などが原因になります。これに対して、中性化や塩害は、空気中の二酸化炭素や塩分による「化学的な作用」が原因です。凍害は、水分の凍結と融解の繰り返しが原因です。同じコンクリートの劣化でも、力によるものか、化学や凍結によるものかでタイプが分かれます。この区別を知ると、それぞれに合った対策を選べます。
部材の弱い一点(応力が集中する場所)から始まった小さなひびが、荷重の繰り返しのたびに少しずつ成長していく様子が示されています。
疲労が進むのは、小さなひびが繰り返しの力で少しずつ成長するからです。力が加わると、部材の中で角や傷など力が集中しやすい一点(応力集中部)から、目に見えない小さなひびが生まれます。荷重が繰り返し加わるたびに、このひびが少しずつ伸びていきます。回数が多いほど、また一回の力が大きいほど、進み方は速くなります。やがてひびが大きくなると、残った部分で力を支えきれなくなり、急にこわれます。だから、繰り返し荷重を受ける部材では疲労を考えた設計が必要です。
関連用語
この用語と関連する用語に進めば、学習が広がります。