化学的侵食
化学的侵食は、酸性の水や硫酸塩などの化学物質がコンクリートに作用して、表面が溶けたりもろくなったりする劣化です。下水道や温泉地、工場排水のある環境で起きやすく、コンクリート構造物の劣化機構の一つに数えられます。
セクション別の図解
下水道や温泉地など化学的侵食が起きやすい環境で、コンクリート表面を被覆して保護し、長持ちさせる様子が示されています。
化学的侵食は、特定の厳しい環境で問題になります。汚水から酸ができる下水道、酸性の水がわく温泉地、酸や塩を含む工場排水のある場所などです。対策としては、すき間の少ない緻密で耐久性の高いコンクリートを使うこと、表面を樹脂などで覆って化学物質が触れないように保護すること(表面被覆)が有効です。まず、その場所にどんな化学物質があるかを調べたうえで、環境に合った材料や保護方法を選ぶことが、長持ちさせる鍵になります。
コンクリート自体を溶かす化学的侵食と、内部の鉄筋をさびさせる中性化・塩害が、傷め方のちがいで並べて対比されています。
化学的侵食は、他の劣化機構と作用のしかたがちがいます。化学的侵食は、外から来る酸や硫酸塩がコンクリートそのものを溶かしたり、もろくしたりします。中性化は、空気中の二酸化炭素でコンクリートのアルカリ性が弱まり、結果として鉄筋がさびやすくなる劣化です。塩害は、塩分が鉄筋まで届いてさびさせる劣化です。化学的侵食は「コンクリートが直接やられる」イメージ、中性化・塩害は「中の鉄筋がやられる」イメージだと整理できます。
酸性の水がコンクリート表面のセメント分を溶かし出し、硫酸塩が内部で膨らむ物質をつくってもろくしていくしくみが示されています。
化学的侵食が進むのは、化学物質がコンクリートの成分と反応するからです。酸性の水が触れると、コンクリートを固めているセメント分(カルシウムを含む成分)が溶け出し、表面がやせていきます。硫酸塩が作用する場合は、内部で体積が大きく膨らむ物質ができ、その膨らむ力でコンクリートがひび割れ、もろくなります。これらは表面から内部へ向かって進みます。まわりの化学物質の濃度が高いほど、また接触する時間が長いほど、侵食は速く進みます。
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