転流工
転流工は、ダムなどを川の中につくるとき、工事をする場所から水をなくすために、川の流れを一時的に別の経路へ回す工事です。仮排水トンネルや仮の締切りを設けて流れを迂回させ、乾いた状態で本体の工事を進められるようにします。
セクション別の図解
ダム建設の工程の最初に転流工を行い、流れを回してから本体の基礎掘削・コンクリート打設へ進む流れが示されています。
転流工は、ダム建設の最初の大きな段階として行われます。川の中につくるダムや堰などでは、必ずといってよいほど必要になります。建設では、まず転流工で流れを回し、工事場所を乾かしてから、基礎の掘削、グラウチングによる基礎の補強、本体コンクリートの打設へと進みます。計画では、増水しやすい出水期の流量を見込んで、排水トンネルや締切りの規模を決めます。工事が完了すると、仮排水トンネルはふさいだり、放流や点検用に転用したりします。
本体を乾いた場所でつくるための準備である転流工と、最終的に残るダム本体が、役割のちがいで対比されています。
転流工は、最終的に残るダム本体とは役割がちがいます。転流工は、本体をつくるための「準備」であり、流れを回すための仮の設備です。工事が進めば不要になり、最後には撤去したり、本体に取り込んだりします。一方、ダム本体は、完成後もずっと残って水をせき止める構造物そのものです。転流工がうまくいって工事場所が乾いて初めて、本体の工事に入れます。目立たない準備工事ですが、ダム建設の成否を左右する重要な第一歩です。
川岸の仮排水トンネルに流れを通し、上下流を締切りで囲って内部の水を抜き、工事場所を乾いた状態に保つしくみが示されています。
転流工が工事場所を乾かせるのは、流れを迂回させたうえで囲って水を断つからです。まず、川岸などに仮の排水トンネルや水路を設け、川の流れをそちらへ通します。次に、工事をする場所の上流側と下流側に仮の締切り(仮締切り)をつくって囲み、内部に残った水をポンプなどで抜きます。こうして乾いた空間ができ、本体工事ができます。設計では、大雨で川が増える出水期の流量にも耐えられるよう、排水路や締切りの大きさを決めることが重要です。
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