膨潤
膨潤は、土が水を吸い込んで体積が増える現象です。とくに粘土を多く含む土は、細かい粒の表面に水を取り込んでふくらみ、乾くと縮みます。盛土材料が膨潤すると地盤が持ち上がったり強度が下がったりするため、膨潤の小さい土が望まれます。
セクション別の図解
左に水を吸ってふくらむ粘性土、右に水を通すだけでふくらまない砂質土を並べ、体積変化の差が対比されています。
膨潤のしやすさは土の種類で大きく変わります。粘性土は粒がとても細かく、粒の表面に水を取り込む性質が強いため、水を含むとふくらみます。砂質土は粒が大きく、水は粒の間を通り抜けるだけなのでほとんどふくらみません。関東ロームのような粘土質の火山灰土は膨潤しやすい例です。盛土では、こうした膨潤しやすい土をそのまま使うと変形の原因になるため注意します。
細かい粘土の粒が、まわりの水を表面に引き寄せて層をつくり、粒どうしの間隔が押し広げられていく様子が拡大して示されています。
膨潤が起きるのは、粘土の粒が電気的に水を引きつけ、粒の表面に水の層をつくるからです。この水の層が粒どうしを押し広げるため、土全体の体積が増えます。水が増えるほど層が厚くなってふくらみ、乾くと水が抜けて縮みます。この吸水と乾燥による膨張・収縮の繰り返しが、地盤のひび割れや盛土の変形を引き起こす原因になります。
膨潤でふくらんで波打った盛土の路面と、膨潤の小さい材料で平らなままの盛土が左右で対比されています。
盛土材料が膨潤すると、いくつもの不具合が起きます。雨で水を含むと土がふくらんで地盤や路面が持ち上がり、乾くと縮んでひび割れます。さらに水を含んだ分だけ土がやわらかくなり、せん断強度が下がって崩れやすくなります。こうした変形や強度低下を防ぐため、盛土には膨潤の小さい、体積変化の安定した土が選ばれます。膨潤しやすい土を使うときは、ほかの土と混ぜるなどの対策をとります。
関連用語
この用語と関連する用語に進めば、学習が広がります。