耐凍害性
耐凍害性は、コンクリートが凍ったり解けたりをくり返しても、傷みにくい性質のことです。寒い地域では水分の凍結でコンクリートが傷むため、AE剤などで細かい空気泡を連れ込み、この性質を高めて凍害を防ぎます。
セクション別の図解
寒い地域の道路や構造物のコンクリートに、AE剤で空気泡を連れ込んで凍害を防ぐ対策がとられている様子が描かれています。
耐凍害性は、寒い地域でつくるコンクリート構造物でとくに重要になります。凍害が進むと、表面がはがれたり、ひび割れたりして、構造物が早く傷みます。これを防ぐため、AE剤を加えて細かい空気泡を連れ込み、耐凍害性を高めます。AE剤は、耐凍害性を高めるだけでなく、コンクリートの施工性 (ワーカビリティ) も向上させます。寒冷地の工事では、こうした対策で凍害による劣化を防ぎ、構造物を長持ちさせます。
凍結融解に絞った強さである耐凍害性と、劣化全般への強さである耐久性を、範囲の大小で対比して示しています。
耐凍害性と耐久性は、どちらもコンクリートの「丈夫さ」を表しますが、範囲がちがいます。耐凍害性は、凍結と融解のくり返しに対する強さに絞った性質です。耐久性は、凍害だけでなく、塩害 (塩分による鉄筋のさび) や中性化、すり減りなど、さまざまな劣化に対する強さ全体を指します。耐凍害性は、耐久性を構成する要素の一つです。寒冷地では、この耐凍害性がとくに重要になります。
コンクリート内部で水が凍って膨らもうとする力を、連行された細かい空気泡が受け止めて逃がす様子が拡大して示されています。
耐凍害性のしくみは、水の凍結による膨張をどう逃がすかにあります。コンクリートにしみ込んだ水は、凍ると体積が約9%増えます。逃げ場がないと、この膨張する力でコンクリートが内側から押し割られます。AE剤で連れ込んだ細かい空気泡は、この膨張する水分の逃げ場になり、内部にかかる力をやわらげます。空気泡があることで、凍結と融解をくり返しても傷みにくくなる、これが耐凍害性が高まる理由です。