波返し工
波返し工は、海岸堤防の上部に設け、押し寄せた波を海側へ返して堤防の背後へ水が越えるのを抑える部材です。特に傾斜型堤防で、越波による道路や宅地の被害を減らす役割があります。試験では、部材の位置、守る対象、水の作用を結び付けます。
4 枚の画像で解説
セクション別の図解
海岸堤防の上部に曲がった波返し工があり、打ち寄せた波しぶきが海側へ戻る様子が描かれています。
波返し工は、海岸堤防の天端付近に設ける立ち上がった部材です。波が斜面を駆け上がったとき、すべり台の先を曲げるように水の向きを海側へ変え、背後地への越波 (波が堤防を越えること) を減らします。堤防の高さだけで守るのではなく、波の流れを受け止めて返す点が特徴です。
断面図の下から根固工、基礎工、表法被覆工が並び、その上部に波返し工が配置されています。
配置で見ると、波返し工は堤防の下に埋める基礎部材ではなく、波が最後に乗り越えようとする上部に置きます。根固工 (足元の洗掘を防ぐ工)、基礎工、表法被覆工 (海側斜面を守る被覆) と役割が違います。断面図では、海側斜面を上がった波が当たる位置にあるかを確認します。
左に波が背後へ越える断面、右に波返し工で越波が抑えられた断面が並べて描かれています。
安全管理では、波返し工があっても大波や高潮で越波がゼロになるとは考えません。点検では、ひび割れ、欠け、沈下、背後の排水状況を見て、波が人や車両、住宅地へ流れ込む危険を下げます。越波対策は部材の設置だけで終わらず、気象情報と立入規制を合わせて管理することが重要です。
波返し工は、海岸堤防の上部で押し寄せた波を海側へ返す部材です。堤防背後へ水が越える量を減らし、道路や宅地への被害を抑えます。