重心
重心は、物体の重さ (質量) が全体として釣り合う1点のことです。物体をその点で支えれば傾かずに安定します。断面の形だけで決まる図心とは厳密には別の概念ですが、密度と厚さが均一な物体では、重心と図心は同じ位置になります。
セクション別の図解
構造物や機械で重心の位置を確かめ、低く安定した位置にあるか、転倒しないかを判断する様子が描かれています。
重心は、物体の安定を考えるときに使われます。重心が低く、支える範囲の内側にあれば、物体は転倒しにくく安定します。構造物や機械、車両の設計では、重心の位置を確かめて安定性を判断します。土木で扱う断面の計算では、密度・厚さが均一なことが多いため、重心の代わりに図心を求めて使います。重心は、物体がどこで釣り合い、どれだけ安定するかを示す、基本的で大切な点です。
質量の偏りを考えた中心である重心と、断面の形だけで決まる図心を並べ、均一なら一致することが対比されています。
重心と図心は、似ていますが定義がちがいます。重心は、物体の質量 (重さ) の分布を考えた、重さが釣り合う点です。図心は、断面の形だけで決まる幾何学的な中心 (断面一次モーメントが0になる点) です。材料の密度や厚さが場所によってちがえば、重心と図心はずれます。しかし、密度・厚さが均一な物体では、重さの分布が形と一致するため、重心と図心は同じ位置になります。この条件のちがいを意識することが大切です。
物体をいくつかの部分に分け、各部の質量と位置から重み付き平均をとって、全体の重心を求める様子が示されています。
重心は、物体の各部分の質量と位置から、重み付き平均で求められます。物体をいくつかの単純な部分に分け、それぞれの質量と中心位置を考え、質量で重みづけして平均すると、全体の重心が分かります。質量が多い部分ほど、重心はその側に引き寄せられます。密度と厚さが均一な場合は、質量が形に比例するため、面積で重み付き平均をとる図心の計算と同じになり、重心と図心が一致します。