張芝工
張芝工は、芝マットを人力で法面に張り詰め、芝の根で土を固定して浸食を防ぐ植生工です。施工後すぐに表面が芝で覆われるため、切土面の仕上げの保護として広く用いられます。種子吹付け工と並ぶ植生系の代表工法です。
セクション別の図解
切土ののり面に芝マットを張り、すぐに緑化して浸食から守った、仕上がりのきれいな法面が描かれています。
張芝工は、切土面などの仕上げ保護に使われます。施工後すぐに表面が芝で覆われるため、早く緑化して浸食を防ぎたい場所に向きます。見た目も整い、景観の保護にもなります。土圧があまり大きくない法面に適し、植生系のため土圧には対抗できないので、土圧のかかる法面では構造物工と組み合わせます。張芝工は、すぐに確実に表面を保護できる、扱いやすい植生工です。
左に芝マットを張って即座に緑化する張芝工、右に種子を吹き付けて発芽を待つ種子吹付け工を並べ、被覆の早さが対比されています。
張芝工と種子吹付け工は、どちらも植生工ですが、表面が覆われる早さがちがいます。張芝工は、育った芝のマットを張るため、施工後すぐに表面が芝で覆われ、ただちに浸食を防げます。種子吹付け工は、種子を吹き付けて発芽を待つため、緑化までに時間がかかります。すぐに表面を保護したい切土面の仕上げには張芝工が、広い面を効率よく施工したい場合は種子吹付け工が向きます。
張られた芝のマットから根が下の土へ伸び、表層をつかんで固定し、雨水の浸食を防いでいる様子が示されています。
張芝工が浸食を防げるのは、芝の根が表層の土を固定するからです。芝のマットを法面に張り詰めると、芝の根が下の土へ伸びて、表層をつかんで一体化させます。これにより、表面を流れる雨水 (表流水) が土を削り取る浸食を防げます。マットの時点ですでに芝が育っているため、施工直後から保護の効果が得られます。ただし、根が固めるのは表層のため、土圧による深い崩壊までは防げません。