防錆剤
防錆剤は、コンクリートの中の鉄筋がさびるのを防ぐために加える混和剤です。海に近い場所や凍結防止剤をまく道路など、塩害が心配される環境で、塩化物イオンによる鉄筋の腐食を抑え、鉄筋コンクリートの耐久性を保つために用いられます。
セクション別の図解
海岸近くや凍結防止剤を使う道路など、塩分の多い環境の鉄筋コンクリートに防錆剤を加えて鉄筋を守る様子が描かれています。
防錆剤は、塩害が心配される環境の鉄筋コンクリートに使います。海に近い構造物や、凍結防止剤をまく道路の構造物などは、塩分がしみ込みやすく、鉄筋がさびやすい環境です。こうした場所で防錆剤 (鉄筋コンクリート用防錆剤) を加えると、塩化物イオンによる鉄筋の腐食を抑えられます。塩害対策には、防錆剤のほかに、かぶり厚さを十分にとる、水セメント比を小さくするなどの方法もあり、組み合わせて耐久性を確保します。
鉄筋のさび (塩害) を防ぐ防錆剤と、凍害を防ぐAE剤を並べ、それぞれが対策する劣化のちがいが対比されています。
コンクリートの混和剤は、防ぎたい劣化によって種類が分かれます。防錆剤は、塩化物イオンによる鉄筋の腐食、つまり塩害を防ぎます。AE剤は、水の凍結による傷み、つまり凍害を防ぎます (耐凍害性の向上)。収縮低減剤は乾燥収縮によるひび割れを防ぎます。同じ「劣化を防ぐ」混和剤でも、塩害・凍害・収縮ひび割れと、対策する相手がちがうため、環境に合わせて選びます。
塩分でさびた鉄筋が膨張してコンクリートを割る連鎖を、防錆剤が腐食を抑えることで断ち切る様子が示されています。
防錆剤が必要なのは、鉄筋のさびがコンクリートを壊すからです。コンクリートにしみ込んだ塩化物イオンが鉄筋に達すると、鉄筋がさび始めます。さびた鉄筋は体積が増えて膨らみ、まわりのコンクリートを内側から押し割ります。割れたすき間からさらに塩分や水が入り、さびが進むという悪い連鎖が起きます。防錆剤は、塩化物イオンによる鉄筋の腐食そのものを抑えることで、この連鎖を断ち、構造物を守ります。